バンコク移住ブログ

2009年にバンコクに移住し、タイ人女性と結婚、娘たちと楽しく暮らしています。タイにまつわる情報をお届けします。

がんの恐怖

メラノーマってご存知ですか?僕はつい先週その言葉知りました。
 
仕事から帰宅し風呂に入る前の小便中、自分の性器に黒い物体が見えた、
なんだろう?と思って明るいところでじっくり観察すると性器の根本付近に直径5~6mmの黒いシミが、しかも1つでなく1,2…、ぱっと見4つを発見。
シミを触ってみると表面は皮膚から盛り上がってごつごつしてる。ただの汚れか?と思ってタオルで拭いてみても落ちない、痛みもかゆみも無いので、いつからできてたのか分からないし、心当たりもないのでまずは”男性器 黒いシミ”を軽い気持ちでGoogle検索してみた。
 
しかし検索結果を見て愕然、そこには陰茎がんや皮膚がんなどのいかにもやばそうなワードが並んでおり、同じようなシミ画像の説明文には  悪性黒色腫( メラノーマ )、非常に悪性な皮膚がんの1つの病名ですと書かれていた。
 

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一気に血の気が失せていくのがわかり、死が迫っているかもしれないと思い始め何もかも手につかなくなる。
すぐにでも検査してもらいたい気持ちと、検査で死が確定するのが怖く、先延ばしにしたい気持ちが入り混じる。
不安すぎて黙っていられなくなり妻に打ち明けた。妻は一通り調べ終えて、それは性病の類ではないか?と主張したが、そもそも覚えがないし、さっき見たメラノーマ画像と全く同じに見えるためがんへの不安は柔らがず、ネガティブな想像のなか寝れないまま朝を迎える。
 
日本語で説明してもらいたいと思い、スクムビットのサミティーベート病院で診察してもらうことにする。
 

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皮膚科がある5階までエレベーターで上がる間に緊張が高まる。
死刑宣告の瞬間を想像し怖気づき、少しでも長く待たされるといいのにと思っていたけど、それほど混みあっておらずあっさり診察室へ。
 
60歳くらいの女医にこれまでの経緯を話した後、ベッドへ移動しシミをじっくり観察、僕は女医の表情からいち早く病状を察知するべく彼女を監視する。
一通り観察を終えると顔お上げその女医は確信に満ちた顔で ”これはイボです。”と言った。”いいえ、これはイボではありません”と言いたかったけど、ズボンをはくことが先決だった。
 
再度問診の態勢になりイボって何ですか?と聞くと女医はスマホのGoogle翻訳の画面を見せ ”尖圭コンジローマ”と言った。いやいやいや、僕はGoogle先生で調べた証拠写真もある、これはイボではなくメラノーマでしょと女医に詰め寄ったが彼女に笑って一蹴された、
 
"メラノーマがこんなに多数あればあなたは既に死にかけよ、長くてあと半年ね。それにイボの表面がごつごつしてるでしょ、これはメラノーマじゃないわ。"
 
ここまで断言されやっと信じられるようになった。また女医はイボはレーザーで切除しなければならないと断言した。死なずに済んで安心したけど、レーザー切除なる次の不安が押し寄せる。付き添ってくれた妻が、
 
"レーザーって痛らしいよ"
 
と追い打ちをかけてくる。30分くらい待たされ、看護師さんに麻酔クリームをイボ周辺に塗布してもらい、麻酔が効くまでさらに1時間待機、麻酔が効いてきたころ女医がそろそろ始めましょうと言いながら部屋に入ってきた。
タオルで目をふさがれ、注射します、少し痛いですよーと言われ周辺に何か所か注射されたが、ほとんど痛みはなかった。
 
いよいよレーザーの機械に電源が入りグオーというドライヤ音が室内に鳴り響く、男性器付近を何かされてる感覚はあるけど、痛みはほとんど感じず30分ぐらい経過した頃無事完了した。
 

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全部で9個切除しました(切ったイボを)見ますか?と言われたけど、勇気がなく大丈夫ですとお断りした。
 
会計は13,912THB、死を覚悟していたからかすんなり受け入れられた。
 

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たった一晩だけど死の恐怖を味わったおかげで、生きることのありがたみを感じた。多額の保険をかけとけばよかったとか、妻にやさしくしとけばよかったとか随分の後悔があった。幸い平常に戻った今、少しは実行していこうと思う。